男性のマルチプルオーガズム〜精力絶倫、連続イキできる男性〜について①

投稿者: | 2020年11月3日

Q.精力絶倫の男性 や 連続イキができる男性がいるって話を聞きました。賢者タイムがあって無理なんですが。

A.賢者タイム(不応期)があるのが普通です。賢者タイムは一般的に20分程度だと言われています。マルチプルオーガズムできる男性は、射精後のプロラクチン上昇が起きないため、賢者タイムが起きない可能性が示されました。

=============================

(解説)

精力絶倫になれるのか?連続で性行為できるようになれるのか?これもよく頂く質問です。ネットで調べたりするとそれについての記事が何個も出てきます。では医学的には実際どのような見解なのでしょうか。

それについて、科学的に研究した論文が2016年発表されました。カナダとオーストラリアの研究で、Sexual Medicine Reviewsに掲載されました。※1

『男性のマルチプルオーガズム〜これまでにわかったこと〜』という題名のこの論文は、過去に発表された論文をまとめたものです。イメージとして、論文のまとめサイトのようなイメージです。

1973年から2008年の間に発表された男性のについての研究論文(15本)を解析し、マルチプルオーガズムの経験がある合計141人の男性について調べています。

男性のマルチプル・オーガズム現象 と その要因ついて調べられました。※1

その結果、

男性のマルチプルオーガズムには2つのタイプがあることが示唆さされました。

①数分間のインターバルを開ければ次のオーガズムが誘発できるタイプ
②数秒〜2分以内に複数回のオーガズムが連続バーストして押し寄せるタイプ
の2タイプに分けられることがわかりました。

一般的な用語で言えば、
①は、性欲絶倫の男性
②は、まるで女性のように連続イキできる男性
というイメージかもしれません。

ただしそれを経験できる男性は20代では10%未満、30歳以降では7%未満とほとんどいないことが示されました。

一般的には、男性は射精(オーガズム)後に、性欲がなくなり勃起もしなくなる期間があります。これを不応期といいますが、一般的には、”賢者タイム”なんて言われていますね。賢者タイムは、膣の中に精子を出した後、すぐに挿入してしまって中の精子が掻き出されてしまうのを防ぐために必要な時間という説もありますが詳細はよくわかっていないことも多いです。一般的に賢者タイムは平均で約20分程度であることがわかりました。

しかし中には、この賢者タイムが短い、あるいはほとんどない男性もいます。そのような男性は、マルチプルオーガズムを経験している可能性が示唆されました。

ではマルチプルオーガズムを経験できる男性の体の中では何が起こっているのでしょうか。実は、体の中の生理的変化についての研究はとても少ないです。そのうちの1つを紹介します。

今回解析された15本の論文のうち、1つがその生理学的な違いについて研究しています。

この研究では、

絶倫男性 と 一般男性を比較して、賢者タイムでの血中のホルモンの動きに違いがあるかを研究しています。

研究対象となった絶倫男性は、25歳で賢者タイムが平均3分!なんと、たったの3分で復活して、連続射精をする事ができる男性です。しかも半々の確率で射精後も勃起を維持できるという猛者です。
この実験では30分間隔でマスターベーションで射精してもらい、血中のホルモンの動きが調べられました。

その結果、絶倫男性と一般男性では、射精後のプロラクチンというホルモンの動きに明らかに違いがありました。このプロラクチンというホルモンは女性では母乳分泌や母性行動などに関連があるホルモンとして知られています。
射精後、一般男性では血中プロラクチンが急上昇するのに対して、絶倫男性では血中プロラクチンの変化がありませんでした。
そのため、賢者タイムは、射精後のプロラクチン急上昇によって引き起こされる可能性が示されました。

射精後に血中プロラクチンが急上昇することをプロラクチンサージと言います。一般男性では、射精後にプロラクチンサージが起こり、30〜60分間上昇したままです。それにより射精後急激に性的興奮がなくりなります(いわゆる賢者タイム)。プロラクチンは母性行動や母乳などに関連があることから直感的にも理解しやすいですね。
それに対して、マルチプルオーガズムできる男性は、プロラクチンサージが起こらなかったのです。そのため連続して射精できる可能性が示されました。

一方でこの論文にも注意しなければならない点があります。それは、研究対象となった男性の数が少ないという点です。また他の研究ではプロラクチン単一ではなくドーパミンなど他のホルモンなども関連していることも指摘されています。今後もさらなる研究が必要と言えます。

現時点での可能性として
マルチプルオーガズムできる男性は、射精後のプロラクチン上昇が起きないため、精力絶倫になる。賢者タイムにならない可能性が示されました。

では一般の男性が、マルチプルオーガズムを経験できるようになるのでしょうか?何か練習などはあるのでしょうか。それについてはまた次回。

引用論文)
※1Erik Wibowo, Richard J. Wassersug.”Multiple Orgasms in Men-What We Know So Far” Sex Med Rev 2016;4:136-148