早漏って、何分我慢できれば大丈夫ですか?〜早漏の定義について〜①

投稿者: | 2020年12月26日

Q.セックス挿入後、射精を我慢できないのですが、僕は早漏でしょうか?

A.国際性機能学会(ISSM)によると、早漏は3つの基準が使用されます。

(ⅰ)初体験からほぼ毎回挿入後約1分以内に射精してしまう(終生型早漏)。あるいは、前は我慢できたけど最近射精が早くなり約3分以内になった(後天性早漏)

(ii)ほぼ毎回、射精を遅らせることができない

(iii)そのことで、悩んでいる(苦痛、煩わしさ、欲求不満、セックスレスなど個人的ネガティブな結果がある)。

この3つを満たしている場合、エビデンスに基づいた”早漏”になります。※2

ただし、この約1分以内という数字は絶対的なものではなく、ある程度柔軟に判断されます。

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(解説)早漏についてのお悩みもよく頂きます。「早漏で悩んでいる」「我慢ができない」「何分我慢できれば早漏じゃないのか?」など。それだけ悩んでいる男性が多いということでしょう。

では実際、医学的には早漏とはどのような状態をいうのでしょうか?これがわかれば自分が早漏かどうか判断できますね。それを解説していいきます。

 

早漏の医学的定義に関しては、昔から諸説ありました。精神医学的な定義から、医師の個人的見解に至るまで混沌としていました。かつてはエビデンス・ベース(根拠にもとづくもの)というよりオーソリティ・ベース(権威者の主張にもとづくもの)の定義が多かったのです。※2

そのような状況を改善するため、2007年、国際性機能学会(ISSM)主導でエビデンスに基づいた早漏の定義の検討が開始されました。その検討のために国際性機能学会(ISSM)は専門家による特別委員会を立ち上げ、2007年10月にオランダのアムステルダムにおいて第一回会合が行われました。これが、エビデンスに基づく早漏定義のための最初の試みとなりました※1。射精時間、射精コントロール、性的満足度、および個人的/対人的苦痛に関するエビデンスを調査し、早漏の定義が作成されました。さらに、国際性機能学会(ISSM)は2013年4月にインドのバンガロールにて第二回特別委員会を開催し、後天性早漏の内容も追加され統一化されました※2。この内容が今のところ、最も科学的でエビデンスベースな定義として受け入れられています。

その定義とは

(ⅰ)初体験からほぼ毎回挿入後約1分以内に射精してしまう(終生型早漏)。あるいは、前は我慢できたけど最近射精が早くなり約3分以内になった(後天性早漏)。

(ii)ほぼ毎回、射精を遅らせることができない

(iii)そのことで、悩んでいる(苦痛、煩わしさ、欲求不満、セックスレスなど個人的ネガティブな結果がある)。

3つの基準を満たすということが提案されました。※2

上記(ⅰ)のように早漏には2種類あり、初体験の時から元々早いタイプ(終生型早漏:約1分以内)と、以前は我慢できたけど最近射精が後から早くなったタイプ(後天性早漏:約3分以内)に分けられます。後天性早漏は、終生型早漏の男性に比べて、高齢で、勃起不全、他疾患の合併、心血管系の危険因子の発症率が高いこと、そして射精までの時間がやや長いことが特徴です。

ただし、注意しなければならないこともあります。それは、この約1分以内という数字は絶対的なものではなく、ある程度柔軟に臨床判断されるべきという点です。その点が専門家委員会の中で確認されています。実際、早漏治療を希望する男性の約 10%が1分を超えて 我慢できる(1〜2 分間我慢できる)ことから、1 分間で絶対的に区切られるものではないのです。※2

つまり、1分以内でも悩みが無ければ早漏の診断価値はないですし、逆に1分以上でも悩みが深く治療希望が強ければ早漏と判断する場合もあるということですね。

この定義は、膣性交をする男性に対してのみ当てはまります。つまり男性同士の性行為、オーラルセックス、アナルセックスの研究はまだ少ないため、今回の定義には入っていません※2。今後の研究に期待されるところです。

 

 

(引用文献)
※1McMahon CG, Althof SE, Waldinger MD, Porst H, Dean J, Sharlip ID, Adaikan PG, Becher E, Broderick GA, Buvat J, Dabees K, Giraldi A, Giuliano F, Hellstrom WJ, Incrocci L, Laan E, Meuleman E, Perelman MA, Rosen RC, Rowland DL, Segraves R. An evidence-based definition of lifelong premature ejaculation: Report of the International Society for Sexual Medicine (ISSM) Ad Hoc Committee for the Defini- tion of Premature Ejaculation. J Sex Med 2008;5:1590– 606.

※2 Serefoglu EC, McMahon CG, Waldinger MD et al. An evidence-based uni- fied definition of lifelong and acquired premature ejaculation: report of the second international society for sexual medicine ad hoc committee for the definition of premature ejaculation. Sex. Med. 2014; 2: 41–59.