早漏の原因は?〜脳の構造の違いについて〜

投稿者: | 2021年1月11日
Q.早漏の原因は、なんですか?
A.確定的な原因は、よくわかっていません。
心因性(不安とか気持ちの問題)や ペニスの過敏さ や 脳内ホルモン受容体の機能異常などが原因の可能性として考えられています。
最近の研究によると、早漏男性は、正常男性と比べて脳の尾状核と呼ばれる部分の平均体積が大きかったことが発見されました。さらに体積が大きければ大きいほど、早漏の重症度にも関連がありました。
ただし、この脳の構造的な変化が早漏の原因なのか、それとも結果なのかは不明であり、まだまだ更なる研究が必要です。

(解説)

早漏の原因について、さまざまなものが提唱されています。心因性(不安とか気持ちの問題)や ペニスの過敏さ や セロトニンと呼ばれる脳内のホルモンの受容体の機能異常などが原因としてよく挙げられます。
しかし、質の高い研究が十分とはいえず、医学的には未だ直接的な因果関係はわかっていません。
さらに、実際は複数の原因が重なっている可能性もあり、原因が複雑であることも考えられます。
そんな中、早漏の原因について、大変興味深い論文が発表されたのでご紹介します。
トルコの大学病院の泌尿器科による研究で、2019年5月に”The Journal of Sexual Medicine”に掲載されました。※1『先天的早漏の患者の脳の形態に違いはありますか?』という題名のこの論文では、早漏の男性の脳が、構造的や形態的に違いがあるかを調査しています。
早漏男性 と 正常男性 の脳の形の違いをMRIで評価しています。
研究対象は、早漏男性54人早漏じゃない男性42人合計96人の男性(平均年齢34歳)について調べられました。全員右利きの既婚男性です。MRI検査をして、脳の白質、灰白質、小脳、扁桃体、尾状核、海馬など、さまざまな脳の構造の体積を評価しています。

その結果、

早漏男性は、そうでない男性と比べて脳の構造が異っている部分がありました。脳の尾状核と呼ばれる部分の平均体積が大きかったのです。(脳の尾状核は、自発運動の調整 や 学習記憶システムに重要と考えられている脳の一部分です。)

脳の尾状核の体積の平均は、早漏でない男性が6.1㎤に対して、早漏男性は6.8㎤と体積が大きいことがわかりました。

さらに、脳の体積 と 早漏の重症度に関連があるかどうかを調べています

その結果、尾状核体積が早漏重症度のスコアと正の相関があることがわかりました。一方、尾状核以外の体積には差がありませんでした。
つまり、尾状核の体積が大きいほど、早漏の程度が重症で早く射精してしまうことがわかりました。

 

ただし、今回の研究にも注意すべき点があります。それは研究対象となった人数が少ないことです。またこの脳の構造的な変化が、早漏の原因なのか、それとも結果なのかも不明です。

早漏の根底にある神経生物学のメカニズムの理解を深めるには、更なる研究が必要ですとこの研究者らは結論付けています。

まだまだ未知の部分が多い脳内の世界。とても興味深いですね。

(引用文献)

※Atalay HA, Sonkaya AR, Ozbir S, et al. ”Are There Differences in Brain Morphology in Patients with Lifelong Premature Ejaculation?” J Sex Med 2019;16:992–998.