ロックダウン中でも性行為を活発にしていた人は、そうでない人と比較して、不安やうつ病発症のリスクが下がることがわかりました。コロナ時の心理的苦痛や人間関係の問題を、性行為がカバーしてくれる可能性があることが示されました。
このブログ記事は、コロナ流行中に不特定多数の積極的な性行為を推奨するものでは決してありません。
新型コロナウイルスの流行によって、世界的に大きな変化があったと言っても過言ではないでしょう。おそらくこの感染症の流行は、10年、20年後の歴史の教科書に載るでしょう。ひょっとしたら100年後も語られる歴史の流れの真っ只中に、私たちは今いるのかもしれません。
世界中でコロナ感染を食い止めるとめ、ロックダウン や 人の移動の自粛が行われました。コロナ自粛で、心理的ストレスを感じている人も多いはずです。
そんな中、コロナ自粛(ロックダウン)が、性的な健康にどのように影響を受けるのか。また性活動がどのように心理的に影響するのかを調べた論文が2021年1月発表されました。イタリアの研究で、”The Journal of Sexual Medicine”に掲載さています。※1
イタリアでは、感染が深刻になった国の1つで、感染対策としてロックダウン(都市封鎖)が行われました。
2020年4月7日から2020年5月4日まで”Sex @ COVID”と名付けられた匿名のオンラインアンケート調査が行われ、男女合計6,821人(女性4,177人、男性2,644人)を対象として調査しました。
そして、
ロックダウン中に、
・セックスを活発にしていた人(2,608人:男性985人と女性1,623人)
・セックスしなかった人(4,213人:男性1,659人と女性2,554人)
の2つのグループに分けて比較して、性活動の影響について調査しました。
その結果、
セックスを活発にしていた人は、セックスしていなかった人に比べて、不安と抑うつ症状のスコアが低いことがわかりました。つまりセックスしていた人の方が、不安 や うつ症状少ないことがわかります。
また、ロックダウン中にセックスがない場合、不安とうつ病を発症するリスクが高いことがわかりました。特に、女性で、パートナーがいない場合、不安とうつ症状が出やすい危険因子である可能性が示されました。
このように、コロナなどのパンデミックによる心理的苦痛や人間関係の問題を、性的活動(セックス)がカバーしてくれる可能性があることが示されました。
但し、この研究にも注意しなければならないこともあります。それはあくまでインターネットの調査である事と、研究対象者のほぼ半分がイタリア北部(コロナが最も深刻だった地域)であるため対象者に偏りがある可能性があり、更なる研究が必要といえます。
✳︎注意✳︎
このブログ記事は、コロナ流行中に不特定多数の積極的な性行為を推奨するものでは決してありません。不特定多数との性行為はコロナ感染の拡大につながる可能性もあるため推奨しません。セイファーセックスの心がけが大事です。
(参考文献)
※1 Mollaioli、Daniele et al.”Benefits of Sexual Activity on Psychological, Relational, and Sexual Health During the COVID-19 Breakout”J Sex Med . 2021 Jan;18(1):35-49.