(解説)
このような質問も多く寄せられます。『セックス中、パートナーをなかなかイかせられない』というお悩みですね。男性からお悩みの相談を頂く事が多いですが、女性からも同じような悩みを聞くことがあります。
多くの人にとって、自分がパートナーを満足させらてないんじゃないかという不安があるのかもしれません。
では実際には、セックスでどの程度の頻度でイケれば女性は満足なのでしょうか。男女の違いはあるのでしょうか。
そんな疑問について調べられた研究があるのでご紹介します。
アメリカのユタ州のブリガムヤング大学による研究で、2020年12月に”The Journal of Sexual Medicine”に掲載されました。※1
2,066人の成人女性と1,238人成人男性を対象にアンケート調査し、
オーガズムできる割合(性行為何回中、何回ぐらいオーガズム得られるか)と性的満足度の関係について調べています。
まず、オーガズムできる割合についての結果は、
性行為5回中4回(つまり8割)以上オーガズムに達することができるのは、女性の約43%、男性の約77%でした。
性行為5回中3回(つまり6割)以上オーガズムに達することができるのは、女性の約64%、男性の約90%でした。
一方、
性行為5回中1回(つまり2割)以下や全くイケけないと答えた人は、女性の約16%、男性の約2%いることがわかりました。
これらのことから、男性より女性の方が性行為でイケる頻度が少ないことがわかります。
次に、オーガズムの割合と性的満足度の関係についての結果です。つまり、『どのぐらいの頻度でイケれば、満足なのか』調査しています。
その結果、
男性は、オーガズムできる頻度が多いほど、性的な満足度があがることがわかりました。イケる割合が大きいほど、それに比例して直線的に満足度が上がっていくことがわかりました。
一方女性は、比例して直線的ではなったのです!もちろん、女性の場合もオーガズムできる頻度の割合が増加するにつれて、徐々に性的な満足度は大きくなっていきます。ただ、ある一定の頻度を超えると、満足度の『増加の幅』は、徐々に小さくなっていきました。
実際、女性は性行為5回中3回(つまり6割)のラインを超えると、性的な満足度の増加はぼほ認められず、頭打ちになることがわかりました。
オーガズムの頻度割合の増加とともに、性的な満足度が直線的に比例して増加する男性と違い、女性は上記のラインを越えれば満足度がある程度一定になる、つまり曲線的であることがわかったのです。
女性は、毎回毎回必ずイけなかったとしても、ある程度満足を感じることができることがわかります。具体的には、性行為5回中3回程度、性行為でイケれば女性の満足度として十分で、そんなに悩む必要がないと言えるかもしれません。
研究者たちは、オーガズムで悩んでいる女性にとって、このような結果から女性独自の性的特徴を認めて受け入れることが、不安を和らげることになる可能性があると考察しています
(引用論文)
※1)Leavitt CE, Leonhardt ND, Busby DM, et al.” When Is Enough Enough? Orgasm’s Curvilinear Association With Relational and Sexual Satisfaction.” J Sex Med 2021;18:167–178.